令和元年10月11日(金)。台風19号が日本に向かっているという。地球史上最強の台風だとのこと。アメリカの政府機関が、この台風はカテゴリー5の最高レベルで、今後カテゴリー6も考えなければならないとコメントしたとか。
2日間くらい家の外に出なくてよいようにスーパーマーケットで買い物をする。そのスーパーマーケットの他の買い物客たちも、そのために買い物をしているように見えた。(なんとなく。)
11日夕方になって雨が降って来た。
12日(土)。朝はそれほど強くなかった雨も午後からは強くなった。庭の木々を見ると枝は揺れていない。風は弱いようだ。
そして雨は降り続く。雨は悲しいほどに降る。
暗くなって来た。雨はいよいよ強く降り続く。こんなに長い時間、こんなに強い雨が降ってどうなるんだろう。木の枝の振れが大きくなって来た。
17:30。防災無線で一部地域に高齢者避難勧告が出た。警戒レベル3だという。防災無線で避難勧告を聴くのは私は初めてだ。
リュックサックに貴重品・日用品と、海中電灯と電池、温度調節のための服、フェイスタオル3枚、ビニール袋などを入れた。たまたまビニール袋をたくさん購入してあった。それがいろいろな時に役立つように思えた。
18:00。防災無線で全域に避難勧告が出た。警戒レベル5だという。しかし全域の全員が避難したら避難所は足りないだろう。それに雨が強い。私の家から指定された避難所まで行くのには、橋を渡る必要がある。その橋が架かる川は大雨での増水が激しい。街の周りを流れている川の水位を知りたかった。小学生のころ徒歩で歩き回った場所の地形はコンピュータ・グラフィックスのように頭に浮かぶ。避難するかどうか決定するのに必要な情報は川の水位だけだった。
行政の勧告はあいまいだが、それは当然だ。全域の状況を全て把握できているわけではないだろう。たとえそれができていたとしても防災無線でのアナウンスという限られた情報のなかで詳細を伝えることは不可能だ。ただ、川の水位という情報が欲しかった。
家に留まることを決定した。それによって被害があるとしても自己責任だと考えた。
行政はよくやってくれている。河川の護岸工事。ハザードマップの作成と配布。避難方法の策定。
最終的には自分の判断に任せられる。判断の責任は自分にある。結果は運による。
考えてみれば、人生での決定は、そんなものだろう。どの選択肢が最善かは、自分にもそのときは、わからない。それどころか、あとになってもわからない。ただ、判断の責任は自分にある。
だれかに向かって「謝罪と賠償を求める」などと言うカッコ悪いことはしないぞ!と思った。
18:30。台風19号は伊豆半島に上陸した。
その後、私が住んでいる所の風雨は弱まって行った。一晩中起きているつもりだったが、日付が変わる頃には眠ってしまったようだ。
朝起きると、台風一過の晴天に恵まれていた。涼しい。そして秋が深まる。
国、自治体、自衛隊、警察、消防、それから電力などのインフラや交通機関。それらの組織で働く人には頭が下がる。
避難の決断は自分の責任だと考えた。そのためには次の2つのことが良いと思う。
ひとつ目。高校で地学を必修とする。
ハザードマップや避難方法などの書かれたパンフレットが自分が住んでいる自治体から配られるが、それを有機的に理解するためには地学の知識が必要だと思う。高校で地学が選択教科となり地学を選択しない生徒も多いようだが、地震が多く台風も来る日本に住むには、地学の知識は必要だろう。それも地元の地学的特徴を学習するととても役に立つと思う。
二つ目。エリア内の主要な河川の定点に川の水位が分かるように防災カメラを設置し、そのライブ映像を自治体のWEBサイトから見ることができるようにする。
今回の経験から良いアイデアだと思ったのですが、既にそのような意味で防災カメラが設置してある場所も多いようです。
今回の経験から、防災セットを常備することが必要だとわかりました。
詳細は、防災グッズメーカーLA・PITAのWEBサイトで。
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