IT:省力化から文化創造へ(3)

コンピュータの導入によって人の仕事が少なくなって来ていることを述べて来た。
RPA(ロボティカル・プロセス・オートメーション)やAI(人口知能)が導入されることにより、人の仕事の省力化が更に進み、人の仕事が少なくなって行くことが予想される。
コンピュータの更なる発展と今までの仕事が省力化されることが予想されるなかで、われわれはどのようにコンピュータとかかわって行けばよいか?

科学技術計算においてコンピュータの性能が高すぎて困るという心配が無用なのは既に述べた。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ、動画配信システムなどにより、今までマスコミに独占されていた情報発信が、多くの個人に取って可能となった。その影響は既に経済活動や政治に反映されている。
超多品種少量生産(究極的には手作り)を人の仕事とし、その流通をコンピュータ・ネットワークで行う。
会社組織に属さないで働く。
情報、モノ、労働が、コンピュータによって、定型的な事務作業から文化創造的な働き方に向かって、変わる。そう変わらざるを得ないし、既に変わって来ている。

子どものころの夢を思い出してみよう。
会社にはいって事務的な仕事をしよう、と思っていただろうか?
ビジネススーツを着たサラリーマンに成るのを夢見ていた人もいるかもしれないが、文化創造的な仕事をする職業を夢見ていて、経済的な理由からそれを諦め、給料を頂くために今の仕事に就いたという人も多いのではないだろうか?それを考えれば、コンピュータに事務的な仕事を明け渡すのは、寧ろ良いことかもしれない。
事務的な仕事を今すぐに辞めると経済的に困るが、コンピュータに仕事を奪われるのを恐れるより、自分の才能を信じようではないか。

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IT:省力化から文化創造へ(2)

40年前に比べてコンピュータの性能は1万倍になった。
では「世の中にそれほど計算することが有るのか?」という懸念は現実化したか?
現実化した!

科学技術計算ではコンピュータの性能は高ければ高いほど良い。実数を対象に成り立つ数式をシミュレーションするには、デジタル数字は桁数が多く精度が高ければ高いほど良いからだ。スーパーコンピュータの開発を巡って某国会議員が発言した「2番じゃダメなんですか?」を真に受けてはいけない。各国でスーパーコンピュータの性能を上げる努力が続けられている。科学技術計算においては「世の中にそれほど計算することが有るのか?」という懸念は無用なのだ。

事務計算において、「世の中にそれほど計算することが有るのか?」という懸念が、現実化した!私は事務処理系のシステムの開発や運用に携わるシステムエンジニアのひとりであったが、システムを開発してその運用を開始する毎に、対象の仕事が省力化され、それまでその仕事に携わって来た人員が削減されるのが常であった。人員削減と言っても、日本の雇用慣行では削減対象の仕事の担当者は別の仕事に配置換えされるので、失業するわけでは無い。人の雇用を続けるため、システム化可能な仕事をシステム化しないで、人の仕事を残す場合さえ有った。従業員の雇用を守るため、システム化なんかしなければいい、という考え方も有るが、そんなことをしたら、企業間競争や国際競争に負けて、みんなが失業する恐れが有るのだ。
私Ariizumiは、自分の仕事をシステム化・省力化したのが元で自分の退職を早めた人なのだが、その経緯は後にこのブログで述べたいと思う。
昨年、大手電気機器メーカーや大手損害保険会社で、3千人から4千人規模のリストラが発表された。「リストラ」というのはご存じのように大量退職勧奨計画を表す日本語だ。これはバブル採用組の処遇の問題も有るが、コンピュータの導入による省力化も大きな原因のひとつだと考える。

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IT:省力化から文化創造へ(1)

私は40年前或る情報処理企業へ入社した。
その頃のコンピュータは大型機が主流で、入力は縦10cm、横20cm位の紙のカード、出力は縦30cm、横50cm位の紙であった。
コンピュータ本体は縦横高さそれぞれ2m程の立方体の金属の箱に納められていた。その周りに磁気テープ入出力装置が十数台、磁気ディスク装置が40台から50台が置かれ、カード読み取り装置が1台と数台の高速ラインプリンタが置かれていた。緑色の文字が並ぶブラウン管画面を見ながら、その画面の前にあるキーボードに、男性が何か不思議な文字列をタイプインしていた。SF(サイエンス・フィクション)のいち場面のように見えた。自分が別の惑星に迷い込んだように思ったものだ。

当時は、とても高価で高速処理のできるCPU(中央演算処理装置)に、多くの入出力装置を接続して、1台のコンピュータで大量に計算処理を行うという考え方が主流であった。

半導体の高性能化と大量生産、磁気ディスクの小型化と大量生産が進められ、将来のコンピュータは1万倍の性能を持つようになると予想されていた。そして、「世の中にそれ程計算することが有るのか?」と、懸念もされていた。

当時のコンピュータの仕様が手元に無いので、数値的な比較はできないが、直観的には、「1万倍の性能を持つようになった」と言えるだろう。

大きさは1万分の1、価格も1万分の1。入出力はひとり分の速度だが、世の中に多くのコンピュータ(PC:パーソナル・コンピュータ)が有るので、入出力の待ち時間は無い。それによって、全体で1万倍以上の性能を持つ。

コンピュータの発達はそれで終わりかと思っていたところに、PCの強敵として、スマホ(スマートフォン)が現れた。手のひらサイズのコンピュータだ。手のひらサイズでPCと同等と言ってもよい性能を持つ。

ちなみに、スマホという言葉に、IOS搭載マシンとアンドロイド搭載マシンの両方を含めるのか?、アンドロイド搭載マシンをスマホと呼び、IOS搭載マシンをiPHONEと呼んで区別するのか?現在、両方が混用されていると感じる。

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有能すぎる後輩RPA

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。
パソコンの操作を記憶して、かなり自動的にオペレーションをするソフトウェア・ロボット。
Excelで言えばのマクロのようなもの。パソコンの殆どの機能に亘って自動オペレーションするソフトウェア。
国産(日本製)のRPAツールが、いくつものソフトウェア会社で、それぞれ開発されていることがわかった。

経理の月末処理や期末処理などは、定型的でかつ短い時間で実行しなければならない業務なので、RPAは最適であろう。
単調なパソコン作業にも広く適用が進んでいる。
OCR(文字を読む機械)と連動したり、気象庁のWEBサイトを参照して天気情報を得て処理に反映させるような操作をRPAにさせている例もあるようだ。

業務スピードの向上と、作業の効率化が図れる。
その他定性的な面では、ミスを減らす、社員の精神的な負担の減少、不正対策(セキュリティ向上)、などの利点がある。

RPAは基本的にプログラム開発ではなく、業務ユーザーのパソコン操作をRPAに記憶させ、それを手直しして行く。
プログラムでの開発より開発は容易にできる。開発後の保守・運用も容易である。

一度仕事を教えたらすぐに記憶し、残業代も請求せず、黙々と正確な仕事を続ける。そういう有能な、そして実にイヤな後輩がRPA君なのだ。

RPA君から、
「先輩。あなたに人事部から解雇通告が来ていますのでお知らせしますね。」
などというメールが来たら、ほんとうにイヤだね。

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そうか、君の名はRPAか!

2018年から2019年にかけて、日本の超大企業のリストラが発表された。
N社(電機・コンピュータ)、F社(電機・コンピュータ)、S社(損保)のそれぞれ3千人から4千の人の希望退職。それとK社(ビール)のリストラ計画。

バブル入社組の処遇の問題もあるというが、やはりAI(人口知能)の導入によるテクノロジー失業の側面が大きいと思う。従業員の仕事が無くなったら、企業としては人員削減をしなければならないのであろうか。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が2016年1月から日本に紹介され、日本の企業に導入され始めたそうだ。
RPAとはパソコン上で行うキーボード入力やコピー&ペーストなどの単純作業を自動で行ってくれるソフトウェアロボットだ。
自分の仕事のなかでRPAに置き換えられるような仕事の部分がかなり有ると思う事務系労働者の方も多いと思う。
その分が集まって、各会社で千人分単位の仕事がRPAに置き換えられ、リストラとなって表れて来ているのだと、私は思う。

こういうソフトウェアが近いうちに現れると思っていたので、今日の表題となった。

そうか、君の名はRPAか!

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働き方の変更:駆動力からハンドリングへ

 モノの製造において機械やロボットが果たす役割が大きくなり、組織の事務部門においてはコンピュータさらには人工知能が果たす役割が大きくなって来た。決まった方向にひたすら頑張るという従来型の労働は、そのようにして機械に取って代わられ、人間は違うことをしなければならなくなった。

人間労働者は何をしたらいいか?
それは、超多品種少量生産だと思う。
即ち”創造”なのだ。

大量生産は機械・ロボットが、事務はコンピュータ・人工知能が行う。多くの人は芸術家的な仕事をしなければならず、またそれができるようになって行くのだ、と思う。事実、ITエンジニアの私が、今、従来は作家その他の人々の仕事であった情報発信をしている。

組織の中では、「社畜」として駆動力になっているのでなく、多くの人がハンドルを握って、どちらに進むか意思決定することが求められる。組織形態は大企業中心から、小企業や個人活動中心になって行くと、私は考える。

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そりゃあデフレになるわけだ!

自分がかなりの歳であるせいもあるが、必要なものは所有していて、これから購入したいモノが、なかなか考えつかない。旅先で旅行記念の置物などを売っているのを見ても、残りの人生は長く無いし、これを所有してどうなるか?などと考え、購入しない。家電製品などで購入するのは、それまで使用していたものが壊れたときだけである。多くの人々がそのような考えだと、日本国内で、モノが売れないのも道理だと思う。

購買意欲の低下→デフレ

モノが売れない、モノの生産を海外へ移転、そして生産性の向上による労働者(消費者でもある)の収入の低下。この3点から、国民の購買力は低下している。

購買力の低下→デフレ

購買意欲も購買力も低下したら、そりゃあデフレになるわけだ!、と思う。

上記の理由から、金融緩和してもデフレから脱却できないように思っていた。
そして老後の心配も当然であり、メディアもその心配を煽る。さらに貯蓄傾向が増加する。
企業も労働者への給与を増やさず内部留保に邁進する。

そりゃあデフレになるわけだ!

(^^♪

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悲しきBPR

政府の掲げる「働き方改革」や、グローバル化・IT化の進むビジネス環境のなかで、改めてBPRが注目されているようだ。

BPR(Business Process Re-engineering =ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)は、業務・組織・戦略を根本的に再構築すること。
1990年代初頭、米国の長期不況によって疲弊した企業経営を見直し、立て直すための抜本的な革新として提唱された。

日本のバブル崩壊は、1991年~1993年とされる。
1995年にパソコンOS”Windows95”(Microsoft社)が登場し、パソコンの性能が大幅に向上した。

それまで事務処理の多くをコンピュータ化して事務作業を効率化、そしてその事務に携わる人員を削減して来ていた。

そこにBPRという概念が導入された。これは、事務の効率化・事務員の削減に対して、管理の効率化・管理職の削減だった、と思う。
業務の見直し→管理の効率化→組織の見直し→管理職の削減

パソコンの普及によって電子メールが多く使われるようになった。
それによって管理職の伝達機能は多く不要になった。意思決定の伝達も電子メールで行われることが多くなった。
それで少数の管理職で大きな組織の運営ができるようになり、組織の見直し、そして管理職の削減が可能となった。

おいおい、アリちゃん!「管理職の削減が可能となった。」って、さらっと言うが、「削減された」管理職はどうすりゃいいのさ?(笑)

続きは「悲しきBPRその2」をお楽しみに。

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実感通り、サラリーマンの収入は減っている

平成7年(1996年)から平成26年(2014年)の、「サラリーマンの平均年収」が、次の図である。

国税庁・民間給与実態統計調査結果を基にした、インターネット上にある図の、写しであり、著作権の問題などがあれば削除しますので、問題があればご連絡ください。

(私も含め)給与所得者の皆様は、過去20年間、収入が減っているように感じていませんか?この図を見ることにより、それが事実だと言えそうである。平成9年の467万円をピークに減り続け、平成21年の406万円まで減少した。実に、61万円少なくなった。その後アベノミクスによる金融政策等の結果、増加に転じているが、平成26年もピークの平成9年に比較すると52万円少ない。平成9年のピーク時と比較すると11%少ないのだ。

この間、一人あたり名目GDPは400万円程度を推移している。平成23年に東日本大震災の影響で減少したが、現在400万円に戻りつつある。また、日本のGDPも1995年以降、増加傾向にある。

したがってサラリーマンの平均年収が大幅に減少している理由が不明なのだが、私(Ariizumi)は、「生産性の向上」そのものが、サラリーマンの平均年収の減少の原因の大きなひとつだと考えている。

製造現場ではロボットなどの機械の導入。事務部門ではパーソナルコンピュータ(パソコン、PC)の導入。それらにより、労働者ひとりあたりの労働生産性が大きく向上した。

生産性の向上 → 労働力の余剰 → 労働力の買いたたき → 
 →  労働者の収入の減少 → 国民の購買力の低下 → デフレ

パソコンなどによってもたらされた生産性の向上が、労働者の収入の減少とデフレにつながっている。

このような経済学的研究が有るのかどうか知らないが、私は一般向けのメディアでそういう論調の記事を読んだことがない。私がこのブログを立ち上げた理由の大きな部分は、その検証をしてみたかったからである。興味の有るかたはお付き合いください。

私はエコノミストではなく、今の呼び方で言えばITエンジニア(以前の呼び方だとシステムエンジニア)で、自分の仕事をシステム化したのがもとでテクノロジー失業した、現在、自称「自称ITエンジニア」であります。

上の図は、図らずも1995年から記載が始まっているが、1995年にWINDOWS95が登場し、その後、パソコンの事務部門への浸透は速く、影響が大きかったと、私は考えている。

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